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2020/11/01

宇宙につながってます by chitetsu


宇宙につながってます by chitetsu

 

 





(空を持ち上げて)


隣家で、チェーンソーの音。

木を切ってる。

見にゆく。

時々来る若い木樵(きこり)が、太い樹にロープを掛けて浮かんでいる。

しばらくすると、彼は降りて来る。

「ハセガワ さん、この頃は何をされてるんですか?」

と聞かれる。

「シータヒーリング をやってます。」

と答える。

「どんな事するんですか?」

と聞かれる。

なんて答えようかと2秒ほど考え、

「宇宙とつながってます。」

と口から出る。すると、

「ハセガワさん、ジューナンなんですねえ。」

と言う。

とっさに、なんのことか分からない。

身体の事かなと思う。私の身体は硬い。

「私も、時々宇宙につながってるなと思う時があるんです。

でも、なかなか人には言えないなあ。変に思われますからねえ。」

と、彼が言う。



彼はいい人だ。

ジューナンが分からず、あとでいく子さんに尋ねる。

「それ、頭が柔軟だって言われたんでしょ。」

へえ、そういうことか。




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2020/09/18

離別と骨伝導

無意識に「離別」と書いたけれど、
よくよく考えると、自身の能動性の強い言葉です。
相手からしたら、「される」というニュアンスが付いてきます。
これが、別離なら、また違う。

自然にそんな言葉を選んだのも、心境のうちかも知れません。

そんなことを寝しなに思いながら寝たら、
夢うつつの中で歌が浮かび、忘れるぞという声がしたので、
夜中の2時にちょっと起きて書き付けました。
昨日の一首と対になるものです。


 骨伝導アエロペクスを耳に架け手振りで踊るひととなりたる
2020/09/17

短歌離別の辞

離別の辞、と思い、ふた月ほど、
前頭葉の或る場所に格納して、
身の振り方を温めてをりました。

一年二月ぶりに、切磋短歌ブログに帰ってきたのですが、
離別、と思いつつ、
だからこそかもしれません、
勝手に、歌が一つ浮かびました。

 「米津玄師『Lemon』6.1億回再生」聴きをりアエロペクスに

離別の一首。
2019/07/04

短歌人会員2 その3 2019/6

 雨。
 南九州では大変な雨で、娘は、住んでいる借家から婿さんの実家へ家族ごと避難。
 伊豆もだいぶ降った。
 ほとんどが山で、そのまま海へ繋がっている伊豆半島は、時に崖崩れもある。
 今朝、ハザードマップを初めて確認する。
 今まで、見たことがなかった。
 山上でも、ここは尾根の上なのでやや平坦。
 警戒区域には入っていない。


 七人の作者の歌、七首を。

 限度額認定証をとるたびに窓口で泣く人おもいだす
           真中 北辰

 一定以上に医療費が掛らないよう、月限度額を抑える公的仕組み。社会福祉協議会が窓口になっている。何か認可が降りなかった人かもしれない。

 月曜の物干し竿に赤色と水色 二枚のユニフォームならぶ
           清郷はしる

 清々しい、色彩も映える一首。子どもらが週末の練習か試合に着たユニフォーム。「物干し竿」で、干した光景も浮かぶ。

 星のひかり零れる深夜願わくばあなたも孤独でありますように
           佐藤 佳子

 孤独感さえ分かち合いたいという願い。切ない気持ちが伝わってくる。初句二句は、何とか演歌調を離れたい。

 新しき姓の漢字を嬉々と書き名の<龍>の字のあやしき八歳
           瑞坂  菜

 母の新しい姓、すなわち自分の新しい姓を、小二の子が嬉々として書いている。名前の龍は、さすがに難しい。

 ナースコースの「イッツ・ア・スモールワールド」が一日中鳴り響く病棟
           古賀たかえ

 大変な病棟である。連作から、作者が入院していることが分かる。看護師にとって、戦場のようなものかもしれない。

 終電を逃したわれは品川の牛丼屋から出るに出られぬ
           いなだ豆乃助

 大変。東口近くに24時間営業の吉野家がある。五時間ほどを、ビールでも飲みながら過ごすしかない。牛丼屋のハシゴという手もある。

 「モモ」と呼べばまぶしい顔でふりかえる柴犬のモモは肉まんがすき
           佐藤ゆうこ

 まぶしい顔、に相互の愛情がよく表れている。肉まんが効いている。柴犬はかわいい。

2019/07/03

短歌人会員2 その2 2019/6

 曇り。
 暑い。
 靄はやや薄く、対岸の熱海、湯河原、真鶴が、山水画のように輪郭だけ見える。
 大坂さんはウインブルドン一回戦で負けたけれど、男子でも、ズべレフ、チチパス、ティエムが負けた。
 勝負は厳しい。
 負けた方はこんな言い方になるけれど、勝った方にしたら、トップ10を破る金星を挙げた訳で、今までの苦労修練が実を結んだ結果だ。
 嬉しいこと。
 勝つことも、負けることも意義深い。
 

 五人の作者の歌、五首を。

 退き際の美学を示す平成の天皇イチローそして嵐と
           大住 迪子

 天皇とイチローと嵐を、平等に並べる大胆さに驚かされる。退き際の美学、は流石にありきたり。ここは、上手く平俗から脱したい。

 ヲホホホホヲホホホホホホ切なさの溢れでてゐる猿の呼び声
           齋藤 壽子

 山中か、動物園か。いろんな理由の声の中で、呼び声と断定している作者は、猿の生活をよく知っている。

 花粉症の経験まつたく無いと言ふ仕合せな人よわれは立ち去る
           渡部亜矢子

 作者は怒っている。自分の花粉症に対し、相手に対し。苦しんでいる相手に配慮もなく自分の仕合せを喜ぶ人。

 眼帯に視野閉ぢられし一日は小鳥の声の常より多し
           佐々木順子

 人間はある能力が阻害される時、他の能力が補償する。サヴァン症候群などは、その例と考えられる。人体は凄い。

 展示され悔しい感じに語られる鍋島藩のアームストロング砲
           山本もとひ

 大村益次郎が鍋島藩からアームストロング砲を借りて、上野に篭る彰義隊を砲撃駆逐したという史実がある。それが、悔しいの元か。 

2019/07/02

短歌人会員2 その1 2019/6

 雨が止んで、暑い。
 夏の暑さ。
 風がない。
 ウグイスが鳴き始める。
 雨季の間、抑えていた力を解放しているのだろう。
 鳶のピーヒョロヒョロという声も聞こえる。


 五人の作者の歌、五首を。

 母語として英語を話す義妹(いもうと)の早口聴きおり法事の席に
           笠原真由美

 英語圏出身の義妹が早口で話す。異文化の法事で分からないことも多いはず。聴く、とあるから作者も英語が堪能なのだろう。

 中断のできない恋にはく靴は赤くなければなければならぬ
           千葉みずほ

 なければのリフレインに作者の執念が篭る。上の句は、ちょっと不思議で読者を説得する力がある。

 私には弱みがあって嘘をつくことがあり日々伸びている茎
           相田 奈緒

 告白のような弁解のような開示のような上の句。惹きつけられる。唐突に下の句に無関係が来る。暗喩だとしても、無骨。

 喪服、という付箋をドアに貼ったまま妻が中央林間に帰る
           山本まとも

 五通りほどの解釈がすぐ浮かぶ。新劇の舞台なら分かる。そう思えば面白いけれど、読者が分かることがそもそも前提にされていないのかもしれない。

 出張のみやげにむすこが買いくれし稲庭うどんを昼餉に茹でる
           小林 恵子

 親思いの息子である。世が世ならその饂飩は殿様だけの門外不出の食材だった。作者はそれを茹でている。

2019/07/02

短歌人同人1 その8 2019/5

 風はひと段落。
 雨も多分。
 全天、曇っているけれど、やや白い。
 トンボがたくさん飛んでいる。
 野鳥が鳴いている。
 ヒヨドリが一羽、飛来してベランダの手すりに留まる。
 ああ、あと何日雨が続くのだろう。
 沖縄は梅雨が明けたという。


 九人の作者の歌、十首を。

 監督票備考の欄にペンをもて「鼻血」と記す玉葱匂う
           藤井 良幸

 試験の監督をしていて鼻血を出した。備考欄に主語なく鼻血だから、作者自身。匂う、は悪いものではない。ほう玉葱か、と思わせる。

 老いを深め今を受け入れられぬらし我が父なれど疎ましくあり
           柊 明日香

 厳しい歌。父の方へ感情移入すると、やるせなくなる。娘から、斯様に思われる日が来るのかと、自分に置き換えてみる。

 権威臭を纏いきしゆえ離れたりかの批評家や歌人いくたり
           西勝 洋一

 権威臭を持つほどの批評家や歌人と交流があったことが分かる。そんな大物と、そもそも大概の人は付き合いがない。幸い。

 パワハラの調査終わらず家路なる途中に光る氷柱(つらら)幾条
           長谷川富市

 教育機関の学長なれば、調査も命じなければいけない。研究者である作者が、経営責任も監督責任も負う。氷柱が光る。

     新宿ゴールデン街
 仙波さんの行きつけのバー「のんちゃん」に二十六年ぶりに行きたり
           宇田川寛之

 仙波龍英は、ランボーのように酔いどれだった、たぶん。二十六年間、バーが続いていたことがすごい。

 歌枕ならねどイトーヨーカドー思いて指を折り歌つくる
           藤原龍一郎

 イトーヨーカドーは八音。どう定型に嵌めるか。作者は二句と三句へ句跨りにして上手く収める。指が要る。

 「7号車ご案内終了です 田端」と田端に行くたび言いふらされる
           斉藤 斎藤

 車椅子の乗降などで聞く。が、「終了です」まで。田端駅だったので思わず言ったのかもしれない。間違い切手にプレミアが付くようなもの。

 足指の関節の軟骨擦り減りてどにもならぬと若き医師いふ
           小池  光

 結社誌は、会員の具合や動静を自然に窺い知る場になる。これを読むまで小池さんがこんなに大変だとは全く知らなかった。

 一歩一歩奥歯食ひしばり歩くわれをあるきスマホの若者追ひ抜く
           同

 人の不幸は外からでは、なかなか分からない。ギックリ腰などもこの類に入る。若者が悪い訳ではないが、コントラストが光る。

 春の夜の電信柱あるときは千手観音像と見まがふ
           紺野 裕子

 見紛う人がすごい。電信柱が千手観音。想像力が追いつかない。あるときは、は二様に取れるが気にならない。私は、在る。