2017/11/21

短歌人同人2 その2 2017/11 #短歌

 スケボー。
 Skateboard。
 のろのろ滑るだけで、随分おもしろい。
 はじめっからすいすいとは行かない。
 左足を前に乗せ、右足で地面をほんの少し蹴る。
 或いは漕ぐ。
 これが嬉しい。
 ときどき転ぶ。
 派手に転ぶ。
 痣ができる。
 手袋は必須。
 ライバルは、妻。


 六人の作者の歌、七首を。

 疲れ果て畳になりたいと言ふ友のわたしは縁の下になりたい
             春野りりん

 疲れ果てた人に、如何に寄り添うか。畳になりたいという友も詩心のある人だけれど、作者は縁の下に。宮沢賢治を彷彿する。こちらにまで、有り難い気持ちが降りて来る。

 婚活をまだつづけてる蝉の声、妊活半ばに死ぬ蚊の娘
             砺波  湊

 婚活、妊活に関わる年齢でなければ詠えない。その上、蚊の娘。蚊の死因は不明だけれど、こんな風に蚊を詠った人を知らない。現代の言葉を巧みに遣った歌。

 アフリカ象はな子は児らにおほき尻向けたるままに排便したり
             取違 克子

 幼稚園児は、うんこしっこをけたけた笑いながら言う。その大人版のようなもの。大人は笑わない。冷静に見る。しかし、内心、そのテーマが受けている。

 お荷物はアミダナへとのアナウンスどこにあるのか網なる棚は
             荘司 竹彦

 電車の網棚は、言葉のトマソン。貴重な現象である。何事も合理で済ませるのではなく、トマソンをトマソンとして敬う。わたしはそう強く思う。作者にも、是非そんな風に一考を願う。

 「落石に注意」とあるが運転中いかな注意をしろと言ふのか
             同

 こちらは、実は万人が感じている事。わたしも、運転中にちょっと崖を見上げたりし、訝って人生を過ごしてきた。歩いているときは訝らない。注意する。

 いかづちにあらで轟くまひるまの横須賀上空戦地に似たり
             斎藤  寛

 港に停泊している空母の艦載機かもしれない。戦闘機が音を立てながら上空をゆく。誰の国の空か分からない。それが日常であれば、まさに戦地のようだ。

 茫として開けし抽山しに娘(こ)が寝入る 仮面ライダーのヘルメットかぶり
             竹内 光江

 茫として、のシリーズ七首から。是非一連で読みたい。この歌は、引き出しを茫として開けるというのがそもそも怪しい行いであるが、そこに娘が寝ている。フラッシュが焚かれたように映像が見える。

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