2017/11/27

短歌人同人1 その3 2017/11 #短歌

 快晴。
 風無く、海は波静か。
 真鶴半島の手前に漁船が出ている。
 エボダイの時期らしい。
 一番好きな干物。
 連想のついでにワインを調べる。
 ボルドー。
 ワイン地図をみると、十年前とはずいぶん呼称が変わっている。
 名前の括りが変わったのだろう。
 覚え直すことになる。
 ものごとは変る。


 五人の作者の歌、五首を。

 畳紙(たたうし)の下より出づる三万円むかしのわたしに救はれてゐる
           和田沙都子

 これは僥倖。しかしもともとは自分のお金。これは誰でも一生に一回はある。ただ人により金額は違う。三万はびっくり。わたし、本の間から一万円出てきたことはある。

 失楽園の蛇が一匹ともだちにゐるからわたし退屈しない
           花鳥  佰

 恒常的に唆してくれるともだち。作者にとっては、好奇心の泉かもしれない。作者は自分をイヴに擬している。今世の幸運。

 うすべにの蓮のひらきて向かうより細きGパンの脚はちかづく
           青輝  翼

 蓮が開いて、細いGパンの脚が近づいてくる。不条理ではないのに、不条理劇の一場のような気がしてくる。その後の展開が秘されているから、と読者に思わせる。惹きつけられる。

 錆びたナイフだがこのところ壁のいたるところから出てくる
           泉  慶章

 八・五・十一・四と読む。他にも読み方がありそう。とんでもない破調である。が、その破調も意味も、まことに面白い。初句脱落かもしれない。高瀬一誌のそのまた先へゆく勢い。

 扇風機のまえで制服ぬぎすてつ汗のにおいのまだ淡き夏
           木曽 陽子

 淡い少女の時代。作者は回想している。性に至る前の、純真で無防備な仕草が、齢を経て言葉を自在に操る作者の手にかかる。

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