FC2ブログ
2017/12/12

短歌人会員1 その3 2017/12 #短歌

 東京歌会でも、忘年会でも、「肉離れ」と言ってみたけれど、だれも同情しない。
 医者の牛道さんなどは、
 「どうも、違うかもなあ。」
 などと、触りもせず疑う。
 今日ようやく、左足を真っ直ぐにして歩けるようになる。
 もう少し。
 人は無情。
 当てにしない。


 五人の作者の歌、六首を。

 一羽が鳴き一羽が声をかへしつつ鴉が朝の青空をとぶ
           安達 正博

 鴉はみんなで葬式をするというし、窺い知れないところがある。この歌の場合は二羽。青空をとぶ、に爽快な感じがよく出ている。

 みみ長きわがあいぼうはそのみみをたててはるかな空の音きく
           田 平 子

 作者は兎を飼っている。無言の兎は哲学者のように、はるかな空の音を聞く。

 病室の姉囲みつつ入れかはりすまし顔して写真に納まる
           小池 東雲

 家族でお見舞いに来ている。滅多に来れないとき、或いはその一時一時が掛替えのない時間であるとき、人は病床の人と写真を撮る。目に浮かぶ。

 屋上や二階の窓から両陛下を眺めることは禁止されたり
           山田 政代

 回覧板が回ってくる。作者の住む高麗への行幸、行啓。言われなくとも礼儀として分かるけれど、言われると「おおっ」となる。ヘイトを許す政権下で、天皇が率先して朝鮮半島との親近を表す。

 両陛下を冥途の土産に見るのだと隣の老女張り切りにけり
           同

 およそ千七百年間、そんな風にしてきたわたし達には、天皇という在り様がDNAに入っている。民主主義だから賛否は自由だけれど、この老女の気持ちがよくわかる。

 吾が家の郵便受けが気になると知人はペンキ持ちてくるなり
           藤田くみこ

 親切か、おせっかいか。知人だから、そう親しい訳でもない。どんな風に塗られたのか、後日談を聞きたくなる。ちょっと不思議な歌。

コメント

非公開コメント

からす

カラスは大概つがいでいるようです。夕方になると木の枝がねぐらになる。行っている内科の中央分離帯には枝がしなやかな木があってカラス、無理やりたわめて巣にしてる。

さすがに無理だよ、と思うのだけど作ってしまう。

この時も二羽で鳴きかわしている。

No title

集団か番で行動するのでしょうか。
意外と生態は知りませんね。