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2017/12/16

短歌人同人2 その4 2017/12 #短歌

 快晴。
 新聞を取りに出る。
 外のベンチに座る。
 海、静か。
 昼頃からは、一転、風が強くなるという。
 下駄箱からリールの紐を持ってくる。
 ツルバラが幾らか伸びたままになっている。
 設置したばかりのアーチの柱に先端を添わせるように縛る。
 三か所。
 師走は今日が半ば。


 五人の作者の歌、五首を。

 湿布貼る首にストール巻いて会うたったひとりの男友達
           平井 節子

 乙女心。通俗的な物言いに聞こえるかもしれないが、今の世相で、廉恥は貴重で大切な心持ちだとわたしは思う。互いに大切な友達である。一人いることが、ありがたい。

 「今いくつ?」「三十五、かねえ」「おお若い!」人生これからだよお母さん!」
           斎藤  寛

 すべて会話。内容勝負になる。作者は六十代半ば。その母が、三十五かねえ、と言う。母は認知症である。が、一首はまことに明るい。作者の明るい気持ちに、軍配。
 
 十六夜のそぞろ寒さの萩叢の乱れの奥の虫の仮宿
           山田 幸江

 の、六つ。信綱の「ゆく秋の大和の国の・・」も六つ。「のは、幾つあってもいいんだよ。」という土屋文明の有名な言葉がある。今はそう見ないけれど、古典の良さに遭遇する思いがする。

 丈さんと雄一さんがヒロポンの気持ちのよさをデイルームで喋る
           桑原憂太郎

 連作。丈さんはインパールから生還している。戦中か戦後の混乱期に、麻薬ヒロポンを打ったときのことを話している。危ないデイルームである。勿論、公訴時効はとっくに成立している。

 もう爆発しているかもって指さされ仰ぐオリオン座の肩の星
           砺波  湊

 オリオン座の一角のペテルギウス。その超新星爆発のことを言っている。爆発が始まってから此方に見えるまでに六百年以上かかるので、相手は上の句のように言う。壮大な歌。

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