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2017/12/21

短歌人同人1 その4 2017/12 #短歌

 上空は青空。
 地上は薄くけぶっている。
 うす曇り。
 庭に露地植えしたままのコリウスが、ついに枯れて来た。
 二株だけ、鉢に植えてリビングに入れてある。
 それはまだ元気。
 室内にある観葉植物は、みなじっとしている。
 それは動けないのだから当たり前だけれど、耐えている感じ。
 春まで。
 一月になると、熱海の市内でアタミザクラが咲く。
 あともう少し。


 五人の作者の歌、七首を。

 あ、といふ転瞬に手より塩壺落つ大きい方から二番目の不幸
           酒井 佑子

 あ、の読点は一拍とする。初句五音。塩壺を落として割ってしまう。そのことを無かった事にするほどの片づけをしたに違いない作者。二番目に大きい不幸と述懐する。

 ひとつ残れる最後の猫は少しづつ暗くなりもう遊んでくれぬ
           同

 猫が、その心技体すべてに於いて衰えて行くことを、独特の言葉で表す。暗くなる。また、ひとつ、と数える。短歌の品格とでもいう雰囲気が立ち上がる。

 一輪の紫うすく古寺の築地塀(ついぢ)を越ゆる秋の朝顔
           青輝  翼

 一輪の朝顔を詠っている。たったそれだけで、楚々とした美しい歌になる。歌人の力量。

 畳に手をつきて挨拶するときに明治生まれの亡き母のこゑ
           小島 熱子

 言われてみれば、畳に手をついて挨拶することが稀になった。そもそも畳の部屋がない場合が多い。あっても立って挨拶する。美しい良風は残したい。

 浜近き交差点を渡るとき白秋「砂山」たどたどと鳴る
           森澤 真理

 新潟の浜。数十キロにわたり砂丘になっている。長い防風林もある。白秋は新潟を訪れ、「海は荒海、向こうは佐渡よ」というあの童謡を作る。曲は、中山晋平と山田耕筰の二曲がある。

 じたばたと印鑑を押すわたくしに「あかねいろ、ですね」とバイトの金さんが言う
          同

 新潟日報社にバイトで働く金さん。忙しく印鑑を押す作者に、一言美しい言葉を掛ける。転瞬、作者の意識は一時停止し、その一言を聴く。

 夜おそく帰れば鍋の里芋の自然に冷めて箸に突き刺す
          柏木 進二

 煮物は、必ずしも温かいとは限らない。煮しめは、冷たい方がよいし、里芋は温冷どちらも美味い。当たり前のことを言っているのに、歌に温かい味がある。 

コメント

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お浸し

子供の頃おひたしをよく食べました。よくというより毎日です。正確には出汁をはっておかないとダメなんでしょうけど。

腐らないように熱を加えなおしたかどうかわからないんです。小さいから。

多少のぬくもりがある日も、冷めきっている日もありました。

特に何の感慨もなくせっせと食べてましたね。毎日ですから。

No title

ポトスでは?

No title

そうですね。ほうれん草のおひたしは、わたしも毎日のように食べた記憶があります。

No title

川井さん、ご明察。半分。
コリウスの間違いでした。Sorry!