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2017/12/29

短歌人同人1 その7 2017/12 #短歌

 曇り。
 いろんな夢をみる。
 先週は、富士山の夢。
 生まれて初めて。
 今週は、下男の夢。
 商家の下男になって、忙しく働いている。
 「わろてんか」の下足番のおっさんがモデルかもしれない。
 ちょっといい役で、個性が光る。
 寄席の元々の席主。
 下足番をして、まったく屈託がない。
 仕事に貴賤なし、を地で表している。
 一方、主人公の男は、俳優として余りにもひどすぎる。


 五人の作者の歌、六首を。

 橋のたもとに繋がれいたる一艘は母に内緒の父の釣舟
           今井 千草

 魅力的な話。父は、娘である作者には教えていた。川舟である。例えばわたしは田舟のような船影を想像する。歌を読んで、読者はどんな舟かと必ず想像する。イメージが広がる。

 手土産にもらいし月餅かじりつつ宅建業法の条文を読む
           生沼 義朗

 作者は宅建業のプロ。怠りなく宅建業法に親しまねばならない。その真剣さと、月餅を齧るという、取り合わせの妙。

 驢馬の背に乗って旅する図を想うわたしではない私がひとり
           同

 驢馬に乗る。例えば高地砂漠かもしれない。いくらか植生もある。インド北部かアフガニスタンか。読者にイメージを喚起させる。行く人は、作者のわたしではなく、私。

 彗星のくる刻ならむ森閑と空気を截りて椎の実落ちぬ
           木戸  敬

 椎の実が落ち、詩人は彗星が来ると言う。予言者の方が合っているかもしれない。風が止まったことにより、ナウシカのおばばは予言をする。ふっとそんな連想がくる。

 をさな児は地獄草紙に腸(はらわた)を抉られ河を流れてゆけり
           長谷川莞爾

 連作によれば、作者は源信展に来ている。そして地獄絵巻を見る。をさな児が、なぜ斯様な不条理に会わなければならないか、否応なく読者は考える。一首独立が見事に結実した歌。

 林道の夜を歩かうと夫が言ふ さうね今宵は十五夜だから
           庭野 摩里

 仲の良さが光る。夫も詩人である。林道を歩こうと誘うのでない。林道の夜を歩こう、と誘っている。煌煌と照る月の下を。

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