2018/01/16

短歌人会員1 その1 2018/1 #短歌

 短歌人新年歌会後の懇親会。
 その日、たぶん最も若い女性と話す。
 ラッパー。
 見るからにリズムがある。
 話していると、スケーターだと言う。
 「わたしもです。」
 と言うと、
 「スケボーする歌人、初めて会いました。」
 と喜ばれる。
 彼女はトリック用のレギュラー。
 わたしのは滑り専用のクルーザー。
 こんな場でスケーターに会ったことが嬉しい。
 地道に励むぞ。

 (スノボーやスケボーの心の底からわくわくする気持ちを、やったことのない人に伝えるのは難しい。ゲレンデの前に立つあの感じ、などなど。)


 五人の作者の歌、六首を。

 吞みこんだ怒りは疾うに幽門を過ぎたるころか仕舞湯ぬるし
           高井 忠明

 仕舞う直前の銭湯。番台から仕舞を告げられつつ入る。ボコボコ出ていた泡も止まっている。作者も毒気を抜かれて、怒りは遠いものになる。

 老斑と言はるるものの出づるまでバナナは宙に吊されてをり
           たかだ牛道

 現代のスーパーマーケットでは露台に置かれる。原産国では吊るされることが多い。あの黒い変色を老斑と見立てるのが言葉の厳しさ。意図はないだろうけれど、暗喩を運んでくる。

 ひとり居のたれに気兼ねのあるものか放屁三つの只中にをり
           同

 そりゃそうだけれど、詠むとばれる。只中にをり、が上手い。たれに気兼ねのあるものか、と改めて言われると、理の感じがしてくる。言わずもがなの句。

 連れ立ちて歩みゆけるもこの世だけ山柿熟れる山の辺の道
           後藤 祐子

 来世の有る無しを思うのは、思想ではなく、その人のDNAに因るのかもしれない。この世だけと思うと、寂しくもあり、一層愛しくもある。作者は夫と山の辺の道を歩く。

 洗濯物取り入れ仰ぐ中天の月は薄らに無きごとくあり
           伊地知順一

 昼夜に関わらず、空を仰ぐにはきっかけが要る。洗濯物の取り入れなどは格好のきっかけ。月が、無きがごとくあり。まさに昼の月。

 白髪や薄毛の老い人二十人が正装に吹く尺八二十本
           山根 洋子

 尺八は個性の楽器。西洋楽器のように音階が既定のものと違う。それが、二十本の合奏。それも老齢の正装。偉観に違いない。

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