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2018/01/26

短歌人同人1 その2 2018/1 #短歌

 快晴。
 昨日、関東一円は観測史上最低気温を記録。
 と、今朝はもっとずっと低い。
 外にある水という水が凍る。
 これで、昨日まで耐えた花々も、絶えるかもしれない。
 仕方なし。
 午後、アガパンサスだけは、ビニール袋をかけてみることにする。
 木は根が深い。
 それに引きかえ、草花はさすがに、この気温では無理か。
 単身赴任中の妻がひどく悲しむに違いない。


 五人の作者の歌、六首を。

 体内の沼からあぶく立つように「なんでやろう」はたぶんずっと
           猪  幸絵

 一連のテーマは、人が飛び降りる。早朝、川へ飛び降りる人を目撃したのかもしれないし、或いは夢かもしれない。夢であれ現実であれ、なんでやろうと、作者の問いは続く。

 黄昏の花舗のまへを輪郭があやふやなままのわれがゆくなり
           原田 千万

 自分を外から見る視線で、自分の輪郭の在り様を見ている。黄昏の花舗のまへ、を選ぶ。そこに作者の根としてのロマンチシズムがある。

 しあわせを処方されたる患者かも笑みつつよつば薬局へ入る
           加藤 隆枝

 診察の後、薬の処方箋を持ち、薬局へ向かう。四葉という幸せのクローバーを店名にした薬局へ。

 トパアズの瞳の美(は)しき鮫置かれ生はヒトのみ蒲鉾工場
           森澤 真理

 安価な鮫が、蒲鉾の材料に。それも大量の鮫が。すべて静かに死んでいる。生きているのはヒトのみの工場。生産現場には、剥き出しの生と死がある。

 男前(をとこまへ)といはれたりけりさはあれどけふも墨に書く連綿体仮名
           小島 熱子

 確かに作者は男前。誠にきっぷがよい。連綿体仮名を調べたけれど、女性専用とも思えない続け文字。さはあれど、は後ろへ繋がる言葉というより、独立したフレーズとして読む。

 電線のあひに仲秋の名月が雲をひきつれいつしゆん見えつ
           同

 雲をひきつれ、という見立てが、仲秋の名月を見事に引き立てる。

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