2018/01/27

短歌人同人1 その4 2018/1 #短歌

 快晴。
 窓から、富士山の頂上部分が、箱根連山の稜線の上に見える。
 真っ白。
 風が止む。
 水がすべて凍る。
 中国山地の知人、越後の妙高山の麓の知人が、FBに雪の様子をアップしている。
 大変な積雪。
 終日、除雪と雪下ろしをしているという。
 快晴の伊豆と真逆。
 ヨーロッパも大寒波が来ているらしい。
 スイスの弟も、終日家の除雪をしているかもしれない。


 五人の作者の歌、六首を。

 蟻の巣を根方につくられ百年のいのちをおとす庭のもみじは
           室井 忠雄

 百年、蟻にも虫にも耐えてきたモミジが遂に朽ちる。古木である。人にも樹にも寿命がある。メッセージがあったはずだけれど、成仏させて上げなければいけない。

 玄関を出て行った妻が五葉つつじのあたりでひとつくしゃみせりけり
           同

 作者は家の中に居る。玄関を出てからくしゃみまでの時間を頭で計り、場所を推定する。くしゃみをしたという事実を即物的に言う、という意図を表すために、せりけりとした。

 桂花茶を飲みつつひらく男の子同士の恋の話のつづき
           魚住めぐむ

 緑茶をベースに金木犀の花の香を移した茶。作者は読書をしている。男の子だから十代なのだろう。プラトニックな雰囲気が醸される。

 ふつかつのじゆもんのメモがポッケから出てくる夜のサービスエリア
           高澤 志帆

 嘗て、子どもたちと総がかりでドラゴンクエストⅢをやったとき、復活の呪文をメモに書いたものだ。作者はRPGをやっている。夜のサービスエリアという現実感との対比が効いている。

 子の部屋のなきことさびし老いて住む家ちひさくて橋の西なる
           西橋 美保

 子が居なくなったことより、子の部屋の無いことの方が寂しいかもしれない。老いて、とは嘘。まったく老いていない。ただ、言う事はなんとでも言える。西橋、橋の西。海が見える良い場所。

 旅宿に爪楊枝けづる紋次郎を恋びとのやうにおもふ日のあり
           和田沙都子

 七十年安保闘争の熾火の残る時期、一年間だけテレビ放映された「木枯し紋次郎」(市川崑監督)。主演の中村敦夫がすばらしく、後にも先にもこれだけの時代劇はない。和田さんの気持ちは分かる。

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