2018/01/27

短歌人同人1 その5 2018/1 #短歌

 日中は少し暖かい。
 海も穏やか。
 湯河原沖に釣舟が何艘も見える。
 散歩に出る。
 廃校になった中学校へ。
 グラウンドだけは今も使われている。
 三周ほど走る。
 帰る。


 三人の作者の歌、五首を。

 漱石の胸像檻に囲ひこまれ苦虫を嚙み潰しをりけり
           花鳥  佰

 まるで牢屋に入れられているような漱石先生。妻と女中についての苦虫を嚙み潰したような手紙を見たことがある。ご本人が、浮世の牢獄に入れられているように意識していた節がある。

 日のまひる昨日より今日駅が遠い遠いところへ行かうと思ふ
           酒井 佑子

 最初の遠いで一旦切れる。場所を特定しないまま、出来ないまま、遠いところへ、という心弱りが詠われる。一緒に行く、介添えに同行する、と言う友が沢山いますよ、酒井さん。わたしも。

 猫の名を間違へて呼び猫に詫ぶ亡きものの名をやすやすと呼びて
           同

 一人の子を呼ぶとき、三人全員の名を呼んではじめて辿り着くことはよくあった。しかし、飼い猫の先代と当代を間違ったことは無い。亡くなった猫への愛情の深さがそうさせる。

 豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえと言いも言われもしたことのなし
           生沼 義朗

 リアルで一度は、そして短歌でも、一度は言ってみたい言葉の最上位の一つ。なかなかチャンスがない。作者も、言いも言われもしたことがない。ところが、遂に短歌で言った。

 いまここがまさに花野か妻がいて身体ややに老いにかたむく
           同

 そうです。花野です。しかし、(相対的に)若い人が老いと言いたがる。自身を「敬老の日」の対象と考えるかどうか、そこが分かれ目だと思う。一緒にスケボーをやりましょう。

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