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2018/02/15

短歌人会員1 その3 2018/2 #短歌

 夜中、ずっと強風。
 台風かと思うほどの風。
 何度か目が覚める。
 窓の破れる図が頭に浮かぶ。
 また眠る。
 朝、起きてみると、ぱたりと風が止んでいる。
 海の波は収まった。
 今日は春の陽気という。


 四人の作者の歌、五首を。

 蜜柑かとおもえばごむぼーるの黄色、落ちてみちのへ 月は天上
           鈴木 杏龍

 みちのへ、は道の上。あくまでもゆっくり読む。すると一首は都都逸となる。すべてのフレーズが「お洒落」なのだ。現代に都都逸が蘇る。

 ちぐはぐなやりとりひとつふたつして そこの信号にてさようなら
           同

 平成の終わり、一組の若者が言葉を交わしている。平仮名の会話。信号だけが確かな物体。そこの、が強いリアリティを運んでくる。

 霜月はこれほど寒きか身をすくめ漂着船のニュースを聞けり
           松岡 圭子

 日本のメディアも人も、知らず知らず異常の中に居る。北朝鮮の漂着船だというだけで、人がどれだけ無惨に死のうが無感動を決め込む。自分の肉親だったらどうか。

 「お母さんによく似てますね」と店員に言われるようになったこの頃
           笠原 宏美

 年頃というものがある。母が老いた後は、そうは言われない。健康そうで若々しい母だから、似ていることが褒め言葉になる。言う方も、言われる方も、なんだか有り難い。

 この雲は弱虫色の前触れだ傘はささずに歩いて行こう
           いばひでき

 上の句がやや分かりにくい。ここでの色は、雲の色というより、自身の様態を言っている。下の句は、読んで元気が伝わってくる。
 

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