2018/02/19

短歌人同人2 その3 2018/2 #短歌

 「絶対勝つ。」
 と思うと、潜在意識は委縮する。
 負ける事が対置され、強く意識されるから。
 「自分の力を最大限に出す。」
 と思うと、潜在意識は、自由闊達に体の能力を解放する。
 (以上は妻が教えてくれた。)

 メダリストのインタビューが続く。
 まことに印象深い。
 すばらしい。
 テレビの前で、何度も拍手する。


 六人の作者の歌、六首を。

 誰かれを呪はぬためにくだらないテレビに日毎ばか笑ひする
           伊庭 虎英

 テレビの番組内容の劣化が止まらない。出演者というより、番組を企画制作する人間たちの劣化、という言い方が正しい。作者は見てばか笑いする。分かる。わたしは見ない。

 怒るとも泣くとも知れぬ友の顔やがて明るむわれを認めて
           竹内 光江

 連作によれば、友は重病の床にいる。やり場のない気持ちを孤独の心に秘めているところへ、作者が見舞いに現れる。僥倖が来る。

 木の節が顔に見えたらあああああもう顔にしかみえなくなるの
           桑原憂太郎

 よくある。子どもにも大人にも。ロールシャッハ・テストも然り。車で二十分ほどの来宮神社に、樹齢二千年の楠がある。幹の中に、龍や大蛇や人の魂や顔や、いろんな形が見える。

 おほきな傘をもつていきなと夫がいふ雨の外出見送られつつ
           佐藤 由美

 黒い男用の傘。女性が持つには無骨だけれど、雨に濡れないことを一番に考えて、妻を気遣い、夫が言う。そして見守り、見送る。

 テーブルの長辺に三人 短辺に一人ずつ座せば、一人余れり
           蜂須賀裕子

 小学校何年生かの算数の問題のようでもある。しかし、全員で何人いるかは断定できない。ずつ、がどこに掛かっているかによる。それは歌の不備とも言えるけれど、とにかく面白い。

 兎語録(とごろく)にごきげんはクックッふきげんはブウのんびりは歯音かちかち
           菅 八重子

 連作によれば、隼人と名付けた兎が亡くなった。これだけ兎の語録を知るに至ったのは、作者がそれだけ大切に可愛がったから。生きものは、かわいい、そしてかなしい。

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