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2018/02/23

短歌人同人1 その2 2018/2 #短歌

 うす曇り。
 世界はモノクロームになる。
 窓の外の海と山は、山水画のように見える。
 美しい。
 海は白い鏡のように静か。
 湖のようだ。
 景色同様、世界から音が消えている。
 
 明日は京都で、「勺禰子歌集『月に射されたままのからだで』を読む会」。
 会場はキャンパスブラザ京都。
 午後一時半より。
 子の会や短歌人の仲間も大勢駆けつける。


 五人の作者の歌、六首を。

 日はすでに暮れてしまへりさあれなほ仄かなるなか道はあるべし
           原田 千万

 誠実にそして希望を持って、そんな雰囲気を湛えた歌。葉室麟の小説の主人公を彷彿とさせる。フレーズフレーズのゆったりと確かめるような調子も、葉室調そのもの。

 中央の鼻がじゃまだと思ひけり無心に顔を洗ふときのま
           真木  勉

 罪な歌を読んでしまった。これからの人生、顔を洗うたびにこの歌と、そして鼻を意識せざるを得ない。旧仮名では、ゃはやと大きく書くが、作者はどうも確信犯的にゃと書くようだ。ううむ。

 首のない道祖神二体そのまえに小(ち)さき玉ねぎ置かれていたり
           平林 文枝

 路傍の神。大概謂れが分からないほど古い。道しるべ、邪気払い、男根神や、地蔵信仰と結びついたものもある。この道祖神は廃仏毀釈に巻き込まれたのかもしれない。信仰の祖型がそこにある。

 傘の骨軋ませながら積もる雪立ち止まるなよほんとに死ぬぞ
           森澤 真理

 新潟の雪は半端じゃない。ベタ雪と呼ばれる重い雪は警戒を要する。子どもの頃、こんな風に言い合った思い出がある。外から来た人には、この歌が分かり易い。

 自らを北のおとこと呼ぶときに嬉しげである安吾と八一
           同

 作者が論説を書く新潟日報に、坂口安吾と會津八一は深い関係がある。信濃川の畔に立つ、高層の新潟日報メディアシップの中には、會津八一記念館がある。北のおとこ、は誇り高い。

 薄暗きビルの裏よりひき出(いだ)す自転車のうへに三日月のあり
           伊藤冨美代

 動きがある。ずずずと引き出してくる。すると三日月が。視点を天上に換える言葉がとくに無い。自転車の車体の上に三日月があるかのように詠われる。それがとても面白い。

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