2018/03/02

短歌人同人1 その3 2018/2 #短歌

 二月二十四日、京都へ。
 勺禰子歌集『月に射されたままのからだで』を読む会。
 駅前のキャンパスプラザ京都へ。
 時間となり、五十二人が集まる。
 パネリストの、松村正直さん(塔)、岩尾淳子さん(未来)、楠誓英さん(アララギ派)がそれぞれの観点から話す。
 司会の斎藤典子さんの振り方が上手い。
 ちょっとした論点の違いから、活発な議論に発展する。
 フロアに坐る、いろいろな結社のみなさんのコメントがまた面白い。
 

 五人の作者の歌、五首を。

 男の子同士のキスを目撃する線路のむこうの上りホームに
           魚住めぐむ

 ゲイの青年ふたり。ホームの上だから、軽いキスだったのだろう。漫画やアニメの一シーンのようである。作者は、驚きとともに、感動している。

 死ぬことは許されぬゆゑ泥や石や糞を食らひて生きねばならず
           長谷川莞爾

 死ぬことの許されない地獄は、無間地獄。地獄のなかでも最も酷く苦しく、永遠に続く地獄。あるときは自分のことのように詠う作者の地獄の連作は、今月も続く。

 パンの肌にしくしくにじむ焼きいろをトースターの窓に見る二分間
           酒井 佑子

 見る間に色を付けながら焼けてゆくパン。作者は魅了されて、その一部始終を見ている。きっと見る人は多い。わたしも見る。

 夜のふけの八朔食めば八朔の種をくちびるの崖まではこぶ
           内山 晶太

 柑橘類は、ニューサマーを始め、ハイブリッド全盛の時代。八朔は伝統種。食べてみると、甘さと酸っぱさのバランスが心地よい。種は大きい。人の口内は、細かい作業にも長けている。

 あと十年生きるであらうこの猫の老後を思ふ膝に撫ぜつつ
           斎藤 典子

 既に五年は生きているかもしれない。猫の後半生を老後と捉えた歌を初めて見る。確かにその通りであり、猫は老いの辛酸を顔に出さないけれど、猫には猫の苦労が待っている。

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