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2018/03/11

短歌人同人1 その6 2018/2 #短歌

 大徳寺へ。
 塔頭龍源院の石庭をみる。
 蓬莱山と静かな海を模す。
 塔頭瑞峯院の石庭をみる。
 蓬莱山と荒海を模す。
 大仙院を拝観したあと、歩く。
 北大路通に面したギャラリー器館へ。
 高柳むつみ展を観る。
 この若き女性陶芸家は、まぎれもなき天才。
 波山と仁清が合体して現在に生まれ変わったとしか思えない。
 ニューヨークのメトロポリタン美術館に、じきに作品が収蔵されるにちがいない。
 すごいものをみた。


 四人の作者の歌、五首を。

 暮れはやき雨の夕べは鱈を煮て病院通いの妻を待ちおり
           石川 良一

 秋田で米を作る作者。寒冷地は、冬に農業はない。病院から帰って来る妻を、鱈を煮て待っている。もはや暗い。夫婦愛がしみじみ伝わってくる。

 「緑の丘」聴きて涙すことごとく夢を家族に潰されてきて
           洞口 千恵

 「なだらかな 坂道を上がれば 川内」で始まる、東北大学校友歌「緑の丘」。作詞作曲、小田和正。すばらしい歌。それを聴いて、作者は涙する。痛ましい言葉が三句以下を統べる。

 むかしむかし好きだったひとをおもうとき月の匂いを嗅ぎたくなりぬ
           中井 守恵

 よい思い出。もはや観念の彼方に抽象化されている。月の匂いほど、遠い遠い思い出。

 剥き出しの夕焼けの中で踊りたし「ブルー・トロンボーン」を聴いて
           同

 ジャズ・トロンボーン奏者、J.J. Johnsonのアルバム。軽快な、そしてほどほどに重厚な曲が流れて来る。心地よい。作者は踊りたいという。軽快に。

 心からおわび申し上げながら横綱日馬富士は引退したり
           室井 忠雄

 相撲界の旧態の前に、加害者でありながら被害者のように、日馬富士は去って行く。日本人から同情の言葉を聞かないなかで、この歌は是非を言わずに日馬富士の去り際の様子を詠う。

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